May 17, 2007

ユーロビジョン 2007、東欧ではその頃・・・(1)



セルビアが初優勝

今回(第52回)のユーロヴィジョン・ソング・コンテストでは、セルビアが初優勝。おめでとうございます!でも、近隣の旧ユーゴスラヴィア諸国から圧倒的な数の票が集まったことにより、他の国からは、まるで東欧が一致団結してセルビアを勝たせたかのような批判がチラホラ出ていますね。

確かに、票の数だけ見ればそのように見えてしまうかもしれません。しかし、その頃東欧で起こっていたことを考えあわせると、よっぽどのことが無い限り、セルビアを勝たせるためだけに一票を投じるなんて人は居なかったと思うんです。そんな状況下で東欧から票が集まったのは、Marija Serifovic さんの歌う「Molitva」という歌が、東欧の人々の心に深く染み入ったからなのではないでしょうか。旧ユーゴスラビア諸国の言語はとても似ているので、もしも歌がものすごく良ければ、国境を超えて東欧の人々に広く理解されることは自然なことです。

セルビアに対しての根強い怒り

10年前まで血みどろの内戦が起こっていた旧ユーゴ諸国において、セルビアは今でも決して好かれている国とは言えません。むしろ、最も嫌われていると言っても過言ではないと私は思います。去年、モンテネグロがセルビアから分離独立した頃なども、「いまのモンテネグロ人は、かつてクロアチア人がセルビアを嫌っていたのよりもさらに激しくセルビアを嫌っているようだ」などと、セルビア人自身が言ったりしていたものです。

そして、ユーロヴィジョンの決勝があった週(先週)は、ある事件があって(後ほど書きます)、クロアチア人もボスニア人も、セルビアに対して怒り心頭だったのです。私などは、何事かとびっくりしたほど。頭から蒸気があがるんじゃないかと思うくらいの怒りを久々に目にしました。

こういう状況の中で東欧の人々が結束してセルビアを勝たせようなんてことは、ほとんどありえなかっただろうと思われます。

「ユーロビジョン 2007、東欧ではその頃・・・(2)」に続く

関連ニュース記事:
<第52回ユーロビジョン・ソング・コンテスト>セルビアが初優勝を飾る - フィンランド
http://www.afpbb.com/article/1589439

当サイト内に掲載されている内容・コンテンツの無断転用ならびに無断転載をお断り致します。
ご協力ありがとうございます。