November 16, 2005

クロアチアの同性愛についての記事がESLの教材に(2)



昨日の日記クロアチアの同性愛についての記事がESLの教材に(1)の続きです。

上級のテキストのほうに、ちょっとした間違いを見つけました。

Next to each name was an initial denoting their sexual orientation – whether they are gay, lesbian, transsexual or transvestite.

出典はここ

gay, lesbian, transsexual or transvestite (ゲイ、レズビアン、性転換者、異性装指向者)」となっていますが、これは、正確ではありません。

まず、例の広告はここで見られます。
http://comingout.gay.hr/ (追記:リンク切れ)

その広告の解説はここ。(クロアチア語)
http://comingout.gay.hr/stojecomingout.php (追記:リンク切れ)

上の広告の解説によれば、実際のカテゴリーはLGBTIQに分けられています。

  • Lezbijka レズビアン lesbian
  • Gay/Gej ゲイ gay
  • Biseksualna osoba 両性愛者 bisexual
  • Transrodna osoba 身体の性と心の性が一致しない人 transgender
  • Interseksualna osoba 半陰陽者 intersexual
  • Queer クイアー(上のどれにも当てはまらない同性愛者)queer

Transrodna osoba (= transgender)

自分の身体の性と心の性が一致していないと強く感じる人。(性転換者である必要はない。)

Transeksualna osoba (= transsexual)

身体の性と心の性が一致せず、それをなおすために性転換手術をした人(又はしたいと望む人)。transgenderの一種といえる。

Interseksualna osoba (= intersexual)

半陰陽者。先天的に体が両性を示していたり体の性が医学的に不明な人

Queer(これは英語と同じ)

かつては同性愛者に対する蔑視の言葉でした。しかし最近では、最も広い意味での同性愛者、または自分がどのカテゴリーにもあてはまらない(またはあてはめたくない)と感じる人が自らを queerと呼ぶようになってきています。同性愛者が自分や仲間を queerと呼ぶには差し支えないのですが、異性愛者が同性愛者に向かってqueerと呼ぶのはやめたほうがいいです。

おおぉ、そういえば、アメリカのバンドR.E.M.のマイケル・スタイプが、自分のセクシュアリティを「もっと流動的なもの(more fluid)」とし、自分がゲイともバイとも断言できないと(インタビューで)答えていたのを思い出します。

余談:
言葉の一つ一つを調べる前に、アメリカ人に「queer とゲイってどう違うの?」とか、クロアチア人に「transrodna osoba って何?」などと聞いても知らない人が多かったので、これらの単語を覚えてもそれほどボキャブラリーの勉強の足しにはならないかもしれませんが、せっかく調べたので忘れないようにブログに載せておこう思いました!

関連記事:
インターセクシャルのジュディさんの手記(英語)
(生まれたときは性不明だったが女として育てられたジュディさんが、男性になり、女性と結婚して子供をもうけるまでの人生)
Queer について(ウィキペディア、英語)

ブログ内関連記事:
クロアチアの同性愛者たち(1)
クロアチアの同性愛者たち(2)
クロアチアの同性愛についての記事がESLの教材に(1)

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