まず最も典型的なのは、Jovan (ヨヴァン)という男性名。これは、Ivan (イヴァン)のセルビア版だそうです。(厳密には「セルビア版」とは言えないかもしれませんが、クロアチア人からみて凄くセルビアっぽく感じられる、ということです。)Ivanという名前はスラヴ系の民族全体に多いので、もちろんセルビアに Ivanさんが全然いないわけではありません。ちなみに、アメリカ国内では Ivanをアイヴァンと発音するのが一般的です。昨年アメリカに上陸した台風 Hurricane Ivan も、「ハリケーン アイヴァン」と発音されていました。
ほかには、例えば Saša(サーシャ)という男性名。スラヴ系の民族全体に多いのでクロアチアにもたくさんあるけれど、どちらかというと(クロアチア人からみると)セルビアっぽい響きなのだそうです。そしてロシア人にもサーシャさんとかミーシャさんって多いと思います。
Miljenko(ミリェンコ)という名前はヘルツェゴビナやクロアチアに多いですが、まんなかの j をとって Milenko(ミレンコ)にするとセルビア人の名前になります。それならば、Željko (ジェリコ)の j をとって Želiko(ジェリコ) にすればセルビアっぽくなるのかと思いきや、そうはいかないそうで(笑)
前ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領(Milošević)の名前、Slobodan(スロボダン)もセルビアっぽいそうです。Miloševićという名字は Miloš(ミロシュ)という名前がもとになります。この Miloš(ミロシュ)もセルビア人に多いです。
とはいえ、かつてはひとつの国として共存していたわけで、クロアチアとセルビアの文化が入り混じることも多々あります。たとえば、Ivica (イヴィツァ)という名前はセルビアっぽいそうですが、クロアチア人にもたくさんいます。 というわけで、名前で出身を推測するのはある程度可能ではあるけれど、絶対的ではありませんので!
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